こんにちは、イーサンです。うちの娘は現在12歳。
診断名は「全般てんかん」、そしてレノックス・ガストー症候群と呼ばれるタイプの、難治性てんかんです。
てんかんのお薬はすでに3剤以上試していますが、どれも決定打にはならず、発作はなかなか減りません。
4歳になる前に脳梁離断手術も受けましたが、それでも1日に5〜10回以上の発作が起こる日が続いています。これは、複数の抗てんかん薬を使っても十分な効果が得られない「難治てんかん」の典型的な経過の一つだと言われています。
そんな毎日のなかで、私なりに少しずつ見えてきた「発作の予兆」について、今日は書いてみようと思います。
これはあくまで、うちの娘の場合の話です。同じ診断名でも、予兆の出方は子どもによってまったく違うことがありますので、参考程度にご確認ください。
我が家の発作のパターン
- けいれん(強直発作の時や脱力の時)して倒れる
- 固まるように動きが止まり、ぼーっとする
- ふっと力が抜けて、そのまま崩れ落ちる
1回の発作時間はさまざまですが、1日に5〜10回以上は起きることが多く、「発作がない日」というのはほとんどありません。
生活のどこにでも発作が入り込んでくるような感覚で、食事中でも、遊んでいるときでも、寝転んでいるときでも、容赦なくやってきます。
娘に特有の「静かな予兆」
娘には、わかりやすい「前兆の言葉」はありません。
もともと発語がうまくできないので、「気持ち悪い」「変な感じがする」と訴えることができないのです。
その代わりに、私が「怪しいな」と感じる瞬間は、とても静かにやってきます。
たとえば、娘が寝転んでゴロゴロしているとき。
さっきまで声を出して笑っていたのに、ふと急に黙って、何も言わずに立ち上がることがあります。
一見すると、「あ、歩きたいのかな」「場所を移動したいのかな」と思うような自然な動きです。
でも、そこから数歩歩いた次の瞬間――
スイッチが切れたみたいに、意識を失って、そのまま前のめりや真横にふわっと倒れてしまうのです。
顔面や頭から床にいくこともあって、そのたびにヒヤッとします。
12歳にもなると、身長も体重も大きくなって、幼児の頃と比べて、倒れるモーメントが大きくなっていますので、床や壁に打ちつけた時の衝撃は、親が想像する以上に大きく、見ているこちらまでドキッとなってしまいます。
「今の音、大丈夫?骨は?歯は?」と、一瞬のうちにいろいろな不安が頭の中を駆け巡ります。
発作そのものも怖いのですが、この「倒れるときの怪我」が、私にとっては別の意味での大きな恐怖になっています。
だからこそ、できる限り床はクッション性シートにしたり、角のある家具はやめたり、「倒れても少しでも衝撃を和らげられる環境づくり」に必死になってしまいます。
話は戻りますが、この「ふと無言で立ち上がって、少し歩く」というのが、うちの娘にとっての予兆の一つです。
あまりにもさりげないので、知らない人が見たら、ただ立ち上がって歩いただけにしか見えないかもしれません。
表情の「ぼんやり」に隠れているもの
- 呼びかけても反応が薄くなる
- 目の焦点が合っていない感じがする
- 表情がすうっと薄くなる
こんなときは、数秒〜数十秒後に、固まるような発作が来たり、力が抜けて座り込んだりすることがよくあります。
ただ、難しいのは、「ただ疲れているだけのぼんやり」と「発作の予兆としてのぼんやり」が、ときどき見分けにくいことです。
親としては、常にアンテナを張り続けているのですが、家事や弟たちのことを見ていて、気づいた時には、間に合わずバタンと倒れてしまうことも多々あります。ごめんね。
予兆に気づいたときにしていること
予兆が見え始めたとき、私がなるべく意識しているのは「とにかく安全を確保すること」です。
- 立ち上がったら、近づいて、すぐ支えられる距離にいる
- 脇を持って寄り添う
- 机や椅子、キッチン台の角や固いものがある場所から、できるだけ離す
声かけも、「大丈夫?」「あっちいこ」といった、短くてわかりやすい言葉を使うようにしています。
娘には言葉で前兆を伝える力はなくても、「親の声のトーン」には敏感に反応しているように感じることがあります。
もちろん、どれだけ気をつけていても、間に合わないこともたくさんあります。
それでも、「予兆をゼロから見逃す」のではなく、「少しでも寄り添う」ことで、怪我のリスクを少し減らせていると信じています。
予兆を追いかけ続けるしんどさと、そこにある希望
てんかんの発作の予兆は、教科書に載っているような典型的なものもあれば、その子にしかわからない、とても個人的なサインもあります。
特に難治性てんかんやレノックス・ガストー症候群では、発作のタイプも多様で、毎日のように予測しきれない発作と向き合うことになります。
特別支援学校の先生方にはいつも気遣っていただいていることに感謝感謝です。
それでも、娘の何気ない動きや表情の変化から、少しずつ「このパターンは危ないかも」という感覚が育ってきました。
予兆がわかるようになると、発作そのものを止めることはできなくても、「怪我を減らす」「周りに前もって声をかける」「家族で構える」ことができるようになります。
同じように悩む親御さんへ
もし、この記事を読んでいるあなたが、同じように「子どもの発作の予兆」に悩んでいる親御さんなら、伝えたいことがいくつかあります。
- 予兆は「必ずこう」という正解があるわけではありません
- 医師や本に書かれている一般的なサインと、あなたの子どもに特有のサインは違うことがあります
- 「なんとなく嫌な感じがする」という、親の直感も、大事な情報のひとつです
そして、この記事に書いたことは、あくまで「うちの娘」の例であって、医学的な診断や治療の話ではありません。
少しでも気になることがあれば、必ず主治医や専門の先生に相談してみてください。
それでも、「うちの子だけじゃないんだ」と、誰かの心がほんの少しでも軽くなったら嬉しいなと思いながら、私はこれからも、娘の「静かな予兆」と付き合っていこうと思います。
