【雨の日の発作、気のせいじゃなかった?】〜天気とてんかんと娘の毎日〜

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こんにちは。てんかん(レノックスガストー症候群)の娘を育てている母イーサンです。

今回はちょっと、昔から私が感じていたけれどなかなか表に出せなかった「疑問」そして「気付き」について、思い切って書いてみようと思います。

※この記事は、てんかんを持つ娘を育てる母親としての個人的な観察と経験に基づいて執筆しており、医学的な根拠や診断を提供するものではありません。治療等については必ず主治医にご相談ください。

雨の日、てんかん発作が増えていませんか?

娘が発作を起こしやすいタイミングがいくつかあります。
その中でも、特に顕著に感じているのが「曇りや雨の日」の発作。

明るく晴れた日は1日ほとんど発作が起きないこともあるけれど、どんよりと曇った日や湿った雨の日には、脱力発作や強直発作が一日に何度も起こることがあります。

はじめは、たまたま?と思いながらも、あまりにパターンとして繰り返されるため「これは何かあるのでは」と強く思うようになりました。

主治医にはなかなか伝わらない実感

実はこのことを、主治医の先生に何度か話したことがあります。

「天気が悪い日は発作が多い気がして……」

でも返ってきた言葉は、「天気と発作の関係は証明されていないんですよね」という、少し苦笑いまじりの返事。

先生が冷たいわけでも、私のことを信じていないわけでもないのは分かっています。

でも、きっと科学的な根拠が少ないからこそ、お医者さんとしては肯定しづらいのだろうなとも思っています。

調べてみました。PubMedで。

一人の母としての経験値にすぎないかもしれない。でも「同じように感じてる人は他にもいるのでは?」と思い、私も一歩踏み出して調べてみました。

医学論文のデータベース「PubMed」で、「epilepsy (てんかん)」と「barometric pressure (気圧)」や「weather (天気)」に関する論文を検索してみたところ……

→ 2000年〜2025年に発表された論文は 30本前後

一方で、「migraine (偏頭痛)」と「weather / barometric pressure」との関係で調べてみると……

→ 同じ期間内に 200〜400本、圧倒的に多いことが分かりました。

なぜ?と素人ながら考えてみると、こうです:

  • 偏頭痛は患者自身がトリガー(引き金)を感じやすく、自己申告による研究がしやすい
  • てんかんは発作が突発的、かつ多様で記録や観察に時間・コストがかかる(脳波などの検査を用いた根拠が必要になってくるのかも)
  • 気圧や天候変化とてんかんの「因果関係」を証明するには、大規模長期観察研究が必要(=まだ数が少ない)

つまり、研究数が少ないからガイドラインにも載らず、そして医師も明言できない、ということなんですよね。きっと。

「てんかん診療ガイドライン」にもない現実

私は、日本神経学会が出されている『てんかん診療ガイドライン2018』も読んでみました。でも、そこにも『天気や気圧と発作の関連』に関する記述はひとこともありませんでした。

これもまた、「エビデンスが少ないこと」が理由だと考えています。

でも、だからといって、「実際には関係しているかもしれない」と感じる現場の声が、無視されていいわけでもないですよね。

親としての直感も、立派なデータ

我が子を24時間365日見続けている親の「感覚」は、単なる気のせいではないと私は思います。
「今日は低気圧来てるから、てんかんアラートだな」みたいな感覚。
雨の前はぐったり、手が冷たい、目つきが虚ろ…そして発作。

その感覚は、“症例報告”レベルでも、もっともっと共有されていくべきだと思っています。

同じように感じているご家族の方へ

もし、同じように「うちも雨の日の発作が多い気がする」「曇ってるときは不安だ」と思っている方がいたら、
それはあなたの“思い込み”ではないかもしれません

そしてたとえ科学的にまだ「不十分な根拠」であっても、あなたの声や観察は、未来の研究のきっかけになるかもしれません

最後に:医学は“今”のリアルに追いつくもの

医学は、蓄積されて進化していくもの。
100年前は分からなかったことが、今は常識になっている。
じゃあ、今「分からない」と言われることも、未来には「やっぱり関係ありましたね」となるかもしれない

その最前線に、私たち家族の声があるのだと信じて、これからも日々の観察と記録を続けていきたいと思います。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

同じように感じている方がいれば嬉しいです。

補足:この記事について
本記事では筆者個人の体験や観察をもとに、「てんかん発作と気象の関連性」について記載していますが、現時点では医学的に確立された因果関係が証明されているわけではありません。治療方針については、必ず主治医や医療機関の専門的助言に基づいてご判断ください。

参考

  • PubMed検索:”epilepsy AND barometric pressure” → 約30件(2000–2025)
  • PubMed検索:”migraine AND barometric pressure” → 約300件以上(同期間)
  • 『てんかん診療ガイドライン2018』日本神経学会
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