【全般てんかん】娘のてんかん症状について

てんかんって何?
Adult and child hands holding encephalography brain paper cutout, Epilepsy awareness, seizure disorder, mental health concept

こんにちは、ブログ初心者のイーサンです。

現在、11歳の難治性てんかんの娘をもつ母です。

娘のてんかん症状について

娘の診断名については、前の記事にて「全般てんかん」とご紹介いたしました。

本日は娘のてんかん症状についてご紹介いたします。

これまで2歳の初回発症時から11歳になる現在まで、日常で起きる症状は以下のような発作が織り混ざって起きることがあります。なかなか学術的に区別することは難しいのですが、これまで経験して、頻度が多かった順、私たち(保護者や幼稚園/小学校・支援学校の先生)がヒヤヒヤした順に並べて、ご紹介します。

  • 脱力(だつりょく)発作
  • 強直(きょうちょく)発作
  • 間代(かんだい)発作(強直、間代発作と組み合わせのケースもあります。)
  • ミオクロニー発作
  • 欠神(けっしん)発作

脱力(だつりょく)発作

脱力発作は、突然、膝や腰の力が抜けて、頭がガクッと下に落ちて、尻もちをついて倒れてしまう発作です。

一般的に、この発作は以下のような特徴を持ちます:

  1. 発症:予兆なく突然起こることが多い
  2. 症状:全身の筋肉の緊張が急激に失われる
  3. 転倒:崩れるように倒れたり、尻もちをついたりする
  4. 持続時間:通常は非常に短い(数秒程度)
  5. 意識:発作中も意識は保たれていることが多い

脱力発作は、立った状態でも急に腰の力が抜けて前屈したような体勢になり、頭から倒れてしまうこともあり、頭部や顔面を負傷する可能性があります。

これが一番怖いです。。外出中は娘の脇からなかなか手を離せません。

私たち両親がまず病気と疑った、最も衝撃を受けた発作でした。

なんと食事中、いすに座った状態でガクッと頭が落ち、お皿をまっぷたつ!

2歳でお鼻の上あたりを5cm近くスーッと斜めに切ってしまうケガをしてしまいました。。

今思い出しても鳥肌が立ちます。。怖い怖い。。

発作後は、娘自身で素早く立ち上がることができる場合もありますが、中には発作後に強直したり意識を遠のいたりすることもあります。

この発作は、特に幼児期に好発するてんかんの一種であるミオクロニー脱力発作を伴うてんかん(ドーゼ症候群)でよく見られます。この症候群では、脱力発作が1日に何度も繰り返し起こることがあり、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。

この発作はもちろん外でも危険を伴いますが、家の中でも家具の角や窓枠の段差、台所の流し、手洗場など、発作がおさまらないうちは、いつ起きるのかわからないので、気が抜けません。

家の中でも、打ち身や生キズ、特に頭部の切りキズの経験は一時期、絶えませんでしたし、夜や朝方、小児救急に連れて行ってキズを縫っていただいたり、医療用ホッチキスで、キズ口を止めていただいたことも4−5回ほど経験しました。

脱力発作への対応としては、本人の安全確保が最優先です。

だから転倒による怪我を防ぐため、外ではヘッドギア(頭部を保護する分厚い保護帽)が必要不可欠です。

自宅でも机の横部分や家具の角の部分は緩衝材を購入して、転倒時のリスク対策、環境整備をしています。

娘のように発作が頻繁に起こる場合は、一人での行動を控え、付き添いが必要になります。

ヘッドギアや緩衝材などの転倒対策については、また別の記事で詳しくご紹介しますね。

強直(きょうちょく)発作

強直発作は、てんかんの代表的な発作型の一つです。突然意識を失って、全身の筋肉が硬直する症状が特徴です。

娘の場合は、脳梁(のうりょう)離断の手術をしているからなのか、片腕片足がギュ〜ん、ビーんと伸びて手はグーになって強い力で握る(硬直してしまう)発作になります。

一般的な発作の経過は以下のようになります:

  1. 発症:前兆なく突然発症することが多い
  2. 症状①:全身の筋肉が硬直し、体が棒のように固くなる
  3. 症状②:手足が強く突っ張り、体がのけぞる姿勢になることもある
  4. 症状③:呼吸が一時的に停止する場合もある(娘の場合は呼吸停止しているようには見えません。)
  5. 持続時間:硬直は通常10~20秒程度続く(長い時で30秒〜1分近くの時期もありました。)

強直発作は単独で起こることもありますが、しばしば間代発作(全身がリズミカルに震える)に移行し、強直間代発作となります。

発作中は意識がなく、転倒のリスクが高いため、頭部や顔面を負傷する危険があります。また、口をくいしばるため、舌を噛んだり口腔内を傷つけたりすることもあります。発作後は眠り込んだり、もうろう状態になったりすることがあります。

強直発作の対応としては、安全確保が最優先です。頭部を保護し、気道確保に努めます。発作は通常短時間で収まるため、落ち着いて見守ることが大切です。

食事中の強直発作の時は、お味噌汁などの器や飲み物をひっくり返してしまったり、器に顔をうずめてしまうおそれがありますので、そそくさと食器を遠ざけるようにしています。また、強直の体の向きによっては、椅子から転げ落ちてしまう恐れがありますので、床にそっと下ろしてあげて、クッションに寝ころばせて発作が収まるのを待っています。

トイレ中、特に朝一の強直発作もあります。便座に座ったものの、頭の重さで便座から左右や前に倒れてしまうことがありますので、支えてあげるようにしています。

娘自身が直接訴えないのでわかりませんが、頭痛や筋肉痛、嘔吐を伴うこともあるそうです。(娘は嘔吐までしたことはありません。)

間代(かんだい)発作(強直、間代発作とが組み合わさって強直間代発作と呼ばれています。)

間代発作は、てんかんの代表的な発作型の一つで、全身または体の一部が規則的に震える症状が特徴です。

以下に、一般的な間代発作の主な特徴を説明します:

  1. 発症:強直発作に続いて起こることが多く、強直間代発作の一部として現れます。
  2. 症状:全身または体の一部が、リズミカルに震える動きを示します。
  3. 持続時間:通常30~60秒程度続きます。
  4. 意識:発作中は意識を失っていることが多いです。
  5. 呼吸:発作が始まると、浅い呼吸から徐々に深い呼吸になります。
  6. 随伴症状:口から唾液を吹き出したり、尿や便を漏らしたりすることがあります。

間代発作は、強直発作に続いて起こることが多く、全般性強直間代発作として知られています。

娘も、最初に全身が硬直し(強直期)、その後にリズミカルな震え(間代期)が続くことがあります。

発作後は、眠り込んだり、もうろう状態になったりすることがあります。

また、娘自身からの訴えがないのでわかりませんが、頭痛や筋肉痛、嘔吐を伴うこともあるそうです。

間代発作への対応も、安全確保が最優先です。頭部を保護し、気道確保に努めます。

発作は通常短時間で収まるため、落ち着いて見守ることが大切です。

ミオクロニー発作

ミオクロニー発作は、てんかんの一種で、突然の短い筋肉の収縮を特徴とする発作です。

以下に、一般的なミオクロニー発作の主な特徴を説明します:

  1. 症状:体の一部、特に上肢や顔面に突然のピクッとした動きが起こります。
  2. 持続時間:非常に短く、通常1秒未満です。
  3. 意識:発作中も意識は保たれていることが多いです。
  4. 頻度:1日に何度も起こることがあります。
  5. 好発時間:朝起きてから30分~数時間以内に起こりやすいです。

ミオクロニー発作は、日常生活に影響を及ぼすことがあります。

例えば、朝食時にスプーンやおわんを落としたり、汁ものをこぼしたりすることがあります。

診断は、症状の特徴や脳波検査結果から行われます。診察は毎月、脳波の検査は1年〜2年に1回くらい実施して確認いただいていますね。

脳波では、3~6Hz程度の比較的速い全般性の(多)棘徐波(たきょくじょは)が特徴的です。素人目には、脳波の検査結果はグチャグチャトゲトゲ〜なイメージです。滑らか〜な脳波になっていって欲しいですね。

治療には抗てんかん薬が用いられ、バルプロ酸ナトリウム(販売名:デパケン、セレニカ)やレベチラセタム(販売名:イーケプラ)などが選択され、娘も飲んできました。ただし、一部の薬剤はミオクロニー発作を悪化させる可能性があるため注意が必要なようです。

欠神(けっしん)発作

欠神発作は、てんかんの一種で、主に小児期に見られる発作型です。

以下に、一般的な特徴を説明します:

  1. 症状:突然動作を停止し、ぼーっとした状態になります。
  2. 持続時間:通常数秒から数十秒と短めです。
  3. 頻度:1日に数十回から数百回発生することがあります。
  4. 意識:発作中は意識が曇り、その間の記憶はないようです。
  5. 随伴症状:目をパチパチさせたり、口をもごもごさせたりすることがあります。(娘にはこれらの随伴症状は見受けられません)
  6. 発症年齢:多くは5~7歳の小学校就学前後に発症するようです。(娘11歳時点でも出ることはありますね。)

欠神発作の特徴として、突然始まり突然終わることが挙げられます。発作後はすぐに呼びかけに反応するため、周囲からは単に「ぼーっとしている」ように見えることがあります。

診断には脳波検査が重要で、3Hzの特徴的な棘徐波複合(きょくじょはふくごう)が見られます。この辺りの検査結果の見方はご専門の先生にお任せいたします。

治療にはバルプロ酸ナトリウム(販売名:デパケン、セレニカ)やエトスクシミド(販売名:エピレオプチマル、ザロンチンシロップ)が用いられ、適切な治療により発作のコントロールが可能なようです。

欠神発作は通常12歳頃までに自然終息することが多いですが、一部の患者では思春期以降に強直間代発作を発症することがあるため、注意が必要です。(さて、11歳の娘はこれからどうなるのか。。)

まとめ

娘の全般てんかんとして、日頃見られる主な発作症状についてご紹介しました。

実際には、日常で起きる症状は、上記発作が、その時々で織り混ざって起きるので、なかなか都度都度区別することは難しいかもしれませんが、認識だけでもしておくと、主治医の先生にも説明しやすくなるかもしれません。

てんかんのお子さんを持つママとパパ、そのご家族、またてんかんの児童さんを担当されている学校の先生方のお役に立てれば幸いです。

ながくゆるっとお付き合い。今日はこのへんで。

また投稿いたします。

閲覧いただいた皆様どうもありがとうございました。

イーサンでした。

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